真向法体操

合氣道開祖と真向法創始者と三船十段

真向法の創始者、長井 津(ながい わたる)先生と、合気道開祖、植芝盛平翁、柔道の三船十段が一同に会した写真です。

真向法体操

第一動作

真向法第一動作

第一動作

(その1)両足をそろえ、足の裏をできるだけ上に向け、第一動作1のように座ります。子の座り方を「楽座」といいます。踵と股の間に握りこぶしが1つはいると、両膝と踵が一直線に並びます。そして、両膝をできるだけ床に近づけます。足の外側の筋肉が萎縮している人は、ひざが床につきません。そういう人は、膝を両手で軽く抑え、少しずつ、つける練習をします。赤ちゃんは、あぐらも正座もしません。椅子にも腰かけませんし、みんなこの楽座で座ります。したがって、この座り方は最も自然で、素朴な座り方なのです。
はじめは腰が折れがちです。できるだけ、シャンと立ててみてください。胸を張り、あごを引き、前方を真っ向の姿勢で見つめます。
(その2)次に上体を前に、第一動作の2のように静かに傾けます。絶対に腰椎を湾曲させてはいけません。頭を無理に床につけようとすると、腰椎が曲がります。
呼吸を止めないで吐きながら、姿勢を崩さず、股関節から前に傾けます。静かに呼吸を吐ききったら、やや早めに元の姿勢にもどります。つまり一呼吸一動作が基本です。10回ほど反復してください。


真向法体操

第二動作

第二動作

(その1)両足を揃え、膝を真っ直ぐに伸ばし、前に投げ出して座ります。やはり、腰椎を湾曲しない様に、腰を立て胸を張り、真向を見つめます。上半身と下半身を正確に直角にして、L字型にして下さい。アキレス腱を若々しく弾力的に伸ばすために、足首は出来るだけ鋭角(70度)にします。初めは、この姿勢がなかなかとれません。脚の裏の筋が萎縮老化しているためです。

(その2)胸を張り、真向を見つめながら股関節を屈伸点にして、上半身を前に傾けます。膝が曲がったり、足首の鋭角が崩れないように10回ほど反復します。
呼吸は、屈するときに吐き、戻るときに吸います。肩の力を抜き、手は脚に沿って床の上をすべらせます。私たちは赤ちゃんの時には何の苦もなく二つ折りになって足先をなめたりできたのです。無理に前傾しようとすると、頭が下がり、背中が丸くなってしまいます。かえって、腰椎を曲げるため、腰痛を誘発する恐れがあります。正しく実行してください。

真向法体操

第三動作

第3動作

(その1)第2体操の時そろえていた両脚を、できるだけ開いてください。(第3動作の1)150度くらい開けば新車同様といえます。しかしなかなか理想どおりには開きません。無理は禁物、はじめは直角でも結構です。そして、1日1ミリずつ開くのです。足首に力を入れ、足先をピンと立て、腰も起こします。膝を曲げては効果がありません。力士は新弟子に入門するとこの体操をやらされます。そうすると、腰に力が充実してきます。腰骨の仙腸関節が整い、血行が良くなるからです。(その2)第1、第2体操と同じ要領で、呼吸を吐きながら上半身を前に傾けます。腹、胸、顔の順に床につけば万々歳です。(第3動作の2)第2体操と同じように、力まずに遥か水平線でも見るつもりで、悠々と行います。日常生活でこんなに開脚することがありません。脚の内側の筋群がたいへん萎縮しています。無理をしないように、こころのもやもやも開け拡げるつもりで一日1ミリずつ伸ばします。この体操は、女性の生理を正常にし、正常分娩と安産で、立派な赤ちゃんを産むことが出来ます。いわば、理想の女性に、母に、そして妻になる体操です。一呼吸、一動作で静かに10回、反復屈伸を続けてください。 


真向法体操

第四動作


第4動作

(その1)両膝をそろえ、両足を尻の幅だけ開いて、その間に尻を落として座ります。これを「割り座」といって、正座よりも膝が完全に曲がります。第2体操で完全に伸びた膝関節は、屈伸自在に整備されます。足首は第2体操で70度に屈し、この第4体操でまっすぐに伸びて、柔らかく整備されます。普段正座の習慣のない人は、足首が伸びないので痛いし、膝も硬化して痛いと思います。そういう人は座布団を二つ折りにして、尻の下に敷き、だんだん尻を落とすよう努力して下さい。正座というのは、膝や足首を整備する素晴らしい体操なのです。
(その2)それから、両手を後ろにつきながら上半身を静かに後方に倒します。倒れられない人は、後ろに座布団を重ねてその上に倒れます。両手は両耳に添えて、まっすぐに伸ばし、肘が曲がらないように努力します。倒れたまま1分間くらい、全身の力を抜いて深呼吸を行って下さい。第4体操は反復をしません。折った膝を静かに、元にもどしておわります。


西式健康法

(西会公式ホームページより引用)

西勝三先生は砂泊先生が合気会の本部道場で内弟子の頃稽古にこられていたそうです。

西式健康法の六大法則

人類は直立姿勢を基本姿勢としたために、祖先である脊椎動物が数億年の間梁(はり)として使用してきた脊椎を柱として使用することになりました。その脊椎を脊柱として使うという変則的な使い方をしても、それが障害とならないようにするため、実際には進化の過程の中で種々の適応がなされています。
 
しかし、その適応するための仕組みの多くは、人類が4~5万年前に最終進化を遂げ、その時代に想定された生活習慣、生活様式で行動した場合に発揮されるようになっています。しかし、文明の発達は、人類の生活習慣、生活様式を大きく変えてしまいました。ここ数百年の間穏やかな変化を続け、およそ百年ほど前からそのペースは徐々に上がり、特にこの数十年では劇的ともいえるほど変化してしまいました。
 
その結果、本来背骨にかかる垂直方向の力(重力)の影響に対しては十分に対処できるはずであったにもかかわらず、それは姿勢に大きな影響を与え、脊柱に対する負担が種々の故障を生じ、結果として原因が複雑で治りにくい、いろいろな病気に見舞われるようになってしまいました。
 
日常生活における時間的制約、体力的負担を最小限にとどめながら、体の構造と使用方法のズレを効率良く正し、本来の健康を確保するために考案されたのが西式健康法の六つの基本形「六大法則」です。

①平床寝台

直立生活によって生じがちな背骨のズレを硬い平面上に寝ることにより体重で矯正します。またその硬さによって皮膚と肝臓に刺激を与え、皮膚の近くの静脈を鼓舞し、血液のもどりを活発にすることで腎臓の機能もよくなります。
● 実行方法
厚さ10mm程度の板にシーツを敷いて、掛け布団は寒くない 程度にし、余り発汗しない状態にして寝ます。はじめは、敷き布団を2枚敷いていた人は1枚に、1枚の人は毛布を二つ折り程度にしたものを敷き布団代わりに、というように徐々に平床に慣れるようにしましょう。
● 注意事項
畳やフローリングなどの上にじかに就寝すると、体温を奪われて別の問題が生じます。必ず床面との間に何かを敷く必要があります。

②硬枕利用

人間の頚椎は重たい頭部を乗せているため常に大きな圧力がかかり、もっともズレが生じやすい部分です。七つの椎骨のうち、上の一番、基部の七番、中央の四番は特に副脱臼を起こしやすいのです。
 
頚椎に故障があると、耳鼻咽喉や歯の病気、気管支の炎症などを招くことになります。硬枕に休むことによってこの部分に張力をかけ、骨のズレを矯正し、これを予防、改善します。肩の凝りの解消にもおすすめです。
● 実行方法
半円形の木枕を首に当てて寝ます。使用する人の薬指の 長さを半径とするサイズのものを求めて、首の真ん中あたりを中心に丸みのほうをあてて就寝時に常用します。初心者は枕にタオルをのせたり、10分20分使用することから始めて、次第に就寝中使えるようになりましょう。
● 注意事項
枕の選び方はあくまで標準的なものです。個人差がありますから、実際に実物を頚部に当てて選ぶようお勧めします


金魚運動

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③金魚運動

四足動物はただ歩くだけで、自然に生じる背骨のうねり運動をさせています。この動きは、脊骨の1個1個を正しい配列に矯正する働きがあります。

ほとんど起伏のない平面上だけを歩く現代人は、日常の生活の中でこの運動が行われることはまったくといって良いほどありません。脊椎のゆがみを直し、脊椎神経、特に間隔の狭い胸椎(肋骨とつながった脊椎)への圧迫をのぞき椎骨の位置を整えます。同時に腹部も動きますから、腸の蠕動(ぜんどう)運動を補助することになり、便秘の解消、腹痛にも有効です。

● 実行方法

平らな床面に仰向けに寝て、全身の力を抜きます。次にからだを 一直線に伸ばし、足先がぶらぶらしないよう両足を揃え、つま先を膝のほうへ力を入れて反らします。首がぐらつかないように両手を組んで、包みこむように後頭部から首にかけて保持、固定します。

両肘で調子をとって、魚の泳ぐまねをして細かく、すばやく動かします。朝夕1~2分。

● 注意事項

両肘は床に付くくらいに水平に広げた姿勢をとって、その際には頭部を持ち上げ過ぎないように。頭部を支える手の甲は床と擦れない程度です。腰の接地部(腰骨下部、仙骨部)を左右にずらして動かす必要はありません。腹部だけが左右に揺れます。

毛管運動

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 ④ 毛管運動

直立の生活をすることにより、重力の影響で心臓より下に位置する手足などの末梢では、血液やリンパ液の循環が阻害され易くなります。それは軽度のむくみというかたちで現れます。この運動をすることにより、末梢の循環の滞りを解消します。

● 実行方法

木枕の類を頚部に当て、仰向けに横になります。手足をなるべく垂直に上げ、手指は軽く離してのばし、足の裏は床面に対してできるだけ水平にします。この状態で手足全体に1分間程度微振動を与え、朝夕2回行ないます。

● 注意事項

かなりきつい運動ですから、連続で1分間微振動を与えるのが難しい人は、5~10秒微振動をさせたら足を壁にもたれかけさせて休むとか、椅子の座面に載せるとかして、休みながら行う方法を各自工夫してください。その際は、微振動を与えた時間が合計で1分以上となるよう時間を調整してください。なお、この運動は健康器を利用すると便利です。


合掌合蹠法

(がっしょうがっせき)

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⑤ 合掌合蹠法(がっしょうがっせき)
合蹠は、正しい姿勢の基本である骨盤の歪みを矯正します。更にふくらはぎの筋肉を最大限双方向に収縮、拡大させることにより、下半身の血流を非常に旺盛にし、各種婦人病を予防、改善します。
● 実行方法
平床などの上に仰向けに寝て、両手を胸の上で合掌させます。蹠とは足の裏のことですから足裏も同様にぴったりと合わせます。
膝を曲げて開き、足の裏を合わせたまま足を前後に縮めたり伸ばす往復運動を十数回行います。終わったらそのまま手足を合わせた姿勢で2~3分間安静にします。朝夕1回ずつ行ないます。
● 注意事項
足の裏全面が常にぴったりとくっついている状態を維持してください。脚を縮めるとき(引き付けるとき)は、お尻にかかとをぶつける気持ちで思いっきり。伸ばすときは縮めるときほどを入れる必要はありませんが、絶対に足先が離れることのないようにしてください。


背腹運動の準備

その1

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背腹運動の準備その1

【1】肩の上下運動10回僧帽筋を緩める運動でこれを平常行っておれば手の麻痺や肩のこりはおきません。【2】頭を左へ傾け反動をつけて元に戻す運動10回。耳が肩につくくらいに倒します。この時肩をあげてはいけません。腸から吸収された脂肪類は乳び管を通って胸管へ注ぎ全身のリンパ系といっしょに左鎖骨下静脈から右心房へ行きます。頭を右に傾けることにより胸管のポンプ作用を促進します。【3】頭を右へ傾ける運動10回、右頚静脈およびリンパ腺を働かせて右心房の拡大と頸部リンパ腺の腫脹を防ぎます。【4】頭を前へ傾け、反動をつけて元へ戻す運動10回、顎が胸につくくらいにします。知覚神経の障害では脊髄後根が収縮しようとするので後根および椎骨を支える起棘筋を伸展する方法です。【5】顎を引いたまま頭を後ろに傾け、反動をつけて元へもどす運動10回、運動神経の経路である脊髄前根と迷走神経を伸展刺激する方法で頸椎7番を叩打つするのと同じく体液のアルカリ度が高まり、血管を収縮させます。【6】頭を右方向へ廻し、反動をつけて元へもどす運動10回、顎が肩の上に来るくらいに廻し、真後ろを両眼で睨むようにすると、目の強化になります。


背腹運動の準備

その2

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背腹運動の準備その2

【7】頭を左方向へ回す、運動10回、容量は6と同じ、左側の上顎交感神経を刺激します。【8】両腕を水平に張り伸ばし、頭を右と左へ回すこと1回、両腕を少し前方より、勢いをつけて水平位に張り伸ばし、手についた水滴を真横へ飛ばすようなつもりでやります。胸部リンパ腺のポンプ作用を働かし、顎筋を伸展します。【9】両腕を上方へ垂直に上げて耳を挟むような位置をとり、頭を右と左へ廻すこと1回、腋窩リンパ腺(わきのした)を働かせると同時に顎筋伸展を行います。【10】前の位置で親指を深く折り、他の四指で親指を押さえつけるように固くこぶしを握り、ついで腕を直角に曲げて水平に落とします。頸椎7番の上側より派出する第7頚神経は、親指と人差し指をつかさどり、またその下側より派出する第8頚神経は中指と薬指をつかさどります。握力の強いことは生命線、感情腺および頭脳線を鮮明にします。その結果顎椎7番の神経が完全に働き、アルカリの増進と抑止が拮抗します。【11】前の状態で(ひじは直角)上腕を水平のまま後方へ引ける限り引き、同時に頭を後ろへそらし、顎を上へ突き上げます。これは今一度胸部リンパ腺のポンプ作用を働かせると共に甲状腺と迷走神経を刺激しておいて終わります。このように準備運動が完全にできる人は横隔膜より上に故障のない証拠です。全体を1分間で行います。全体を通じてみると、最初は運動準備として僧帽筋を緩め、次いで迷走神経を刺激し、次に交感神経の作用を対抗させ、最後にまたちょっと迷走神経を刺激しておいて終わります。反動をつけて元へもどすとは、第一動作(頭を倒したり廻したりする)を速く、第二動作(元へもどす)をゆっくりやることです。いずれの場合でも、真ん中で止めるのは三半規管の障害を起こさせないためで、首をやたらにくるくる回すものではありません。


背腹運動

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⑥ 背腹運動(はいふくうんどう)

背腹運動は、現代人特有の固定的な姿勢での長時間の仕事や勉強などによって起こる、悪い姿勢が固定化することによって生じる諸問題を防止、改善します。この運動は西式健康法の基本とも言えるものです
背の運動(左右揺振)は、す早く体を左右に振るきつい筋肉運動ですから、心拍数を上昇させ血圧を上げるなどの交感神経(自律神経)緊張状態をつくります。そのため、この状態を補正するために腹部の出し入れを同時に行なって、副交感神経も同時に緊張させて自律神経バランスが崩れないようにする必要があります。しかし、運動を続けることによって自律神経バランスも自然と整ってきますから、現代人に多い自律神経失調による諸症状には大変有効な運動です。
● 実行方法
揺振運動1往復を1回とし、1分間に50~55回のペースで
1回に500往復行ないます。脊柱を一本の棒のようにして左右に振ります。一本の棒のようにという意味は、腰椎、胸椎、頚椎のいずれの部分でも意図的に曲げてはいけないという意味です。
腹部の出し入れは、体が中央部にきたとき(体が垂直の状態)にお腹をぐっと引っ込めるというのが一般的ですが、とにかく腹部を出し入れして、その動きによって内部の腸が動かされれば同じ効果がありますから、適宜やりやすいように工夫してもかまいません。
● 注意事項
この運動には頚椎の運動としての準備運動があります。月刊誌上に掲載の説明等を参照してください。
難しい運動ですので、最初から無理に規定速度で行おうとせず、徐々に運動の速度を上げていくようにしましょう。また、正しいペースをつかむ指標としてはメトロノームを使うと便利です。


玄米食

Wikipediaより引用

砂泊先生が合気会の本部道場で、内弟子として指導していた頃、二木博士は合気道の稽古に来られていたと聞いています。砂泊先生もずっと玄米を召し上がっていました。

二木 謙三(ふたき けんぞう、1873年(明治6年)1月10日 - 1966年(昭和41年)4月27日)は、日本の細菌学者、医師

生誕
| 樋口謙三
1873年1月10日
日本 秋田県秋田市土手長町

死没
| 1966年4月27日(93歳没)
日本 東京都港区白金台
肺炎

出身校
| 東京帝国大学

健康法編集

二木は秋田佐竹藩の藩医、樋口家の出身で、元の姓は樋口であった。8人兄弟の3番目に生まれた。3歳の頃、同じ秋田藩の藩医、二木家に養子縁組して、二木姓を名乗る。生まれた時には1年ももたないといわれる程の虚弱であった。20歳まで心身ともに数多くの病気に悩まされたが、徴兵検査のときに検査官から虚弱な病身を指摘され、軍隊の黒い麦飯を食えと一喝され、その翌日から麦飯食を始めた。これにより、虚弱な病身から解放された。このように二木は、藩医の家の生まれであること、そして、また、自らの深刻な病弱を日本の伝統的な食養生により救われたという原体験により西洋医学の道に進路をとり、そして、それと矛盾することなく東洋的な健康法の普及活動に志向した。
食事法としては玄米菜食による完全食、家はは用いず、動物は少なくし、二分間煮で食べることを提唱していた。二木自身は48歳より、1日1食、玄米、塩なし、油なし、火食なし、動物不要の食事となった。
正心調息法の創始者である塩谷信男は二木の健康法を実践して病弱体質を克服した。二木は晩年も元気に活動し、亡くなる前には全国の弟子たちを電報で呼び集め、全員が揃ったところで「それじゃあ、君たち、最後の息をするから、さようなら」と言って世を去ったという。

食事編集

完全食
基本的には死んだものでなく生きた新鮮なものを、動物よりは植物を摂取することを推奨。中でも玄米は完全食であるという。
二分間煮
野菜を煮て食するに際しては、調理過程として、煮始めて沸騰し始めるが、沸騰時間は2分間として即加熱を停止し、蓋をしたまま5分~10分程してから食することをいう。二分間煮とは沸騰二分間ということである。
適応食
年齢、性別、職業、季節、地勢などに応じて適切な食べ物を選択すべきであると説く。

  • 乳児 母乳、果汁、おかゆ
  • 1~6歳 玄米、野菜、豆、芋
  • 7~15-6歳 上記植物類に加えてえび、あさり等の小動物
  • 15-6歳から上は男女が分かれてくる
    • 男性 肉体労働を行う男性は食物欠乏のときは肉をとってもよい
    • 女性 大きな動物は食べないほうがよい
  • 40~60歳(初老)男性でも大きな動物を食べるのはやめ、15歳以前の子供と同じく野菜類と小動物にする
  • 60~80歳(中老)5歳以前の子供と同じく穀菜食にする
  • 80~(大老)ものをよく噛んで汁だけをしゃぶって食べる

二木式腹式呼吸法編集

胸と腹が一緒に出て一緒に引っ込んでゆく胸腹式呼吸法を推奨。肺の呼吸面をまんべんなく広くし、肺全体が自由に呼吸することになる。息を吸うときは腹が膨れるように硬くなるように吸い、あまりいきまないように少しとらえてから静かに吐き出す。胸の方から先に空気を出し、次に上腹にある空気が胸を通って外へ出るように、下腹には少し空気が残るように出す。